2011年10月10日月曜日

Aguas de marco / Antonio Carlos Jobim



棒切れ、石、道のつきあたり
切り株に腰をおろして
ちょっとばかり淋しくて
硝子の欠片、生と太陽
夜、それは死
針と、糸

野原のペローパ樹、玉結びのある枝
優雅なカインガー、梨の木マチッタ
風の木、土手のとんぼがえり
底知れない謎、望もうが、望むまいが
追い風が、暖炉を吹き消し
桁から窓へ、梁のお祭り

雨が雨降り、流れるお喋り
三月の雨が、疲れを洗い流していく
足だ、地面だ、健脚のお通りだ
手には小鳥を、パチンコの小石で
鳥りが舞う、鳥が落ちる
小川が、泉が、パンの欠片に
井戸の深みで、道はおしまい

顔をしかめて、ちょっとばかり淋しくて
刺や釘や、南京玉やお伽話
魚の仕事が、銀色に光る
朝日と共に、レンガが運ばれ
薪がくべられ、蚊の攻撃はおしまい
カシャッサの瓶が、街道ばたで砕けてる
家の設計図、寝床で体を休め
ぬかるみの真ん中で故障した車
泥の中の一歩、橋だ、蛙だ、がま蛙だ
朝日に映る森
夏の終わりを告げる三月の雨
君の心に宿る、人生への誓い
棒切れにも似た蛇が、
ジョアンをジョセーを、
手のひらの刺、足の裏の傷

夏の終わりを告げる三月の雨

君の心に宿る、人生への誓い


棒切れ、
石、
道のつきあたり
切り株に腰をおろして
ちょっとばかり淋しくて
また一歩、橋だ、蛙だ、がま蛙だ
美しい地平、隔日熱




2011年9月17日土曜日

La Cigale et la Fourmi / La Fontaine



夏の間歌い続けた蝉は
自分が無一文であることに気づいた。
北風が吹いてきたというのに
蝿やミミズの
ひとかけらも残っていない。
蝉はひもじさで悲鳴をあげた。

隣に住む蟻のところへ行って
季節が変わるときまで
食いつなぐための
少しの穀物を貸してほしいと頼んだ。

「動物の名誉に誓って、収穫の時期までに
元金と利子をそろえて払うから」と。

蟻は気前が良いわけではない。
それは蟻の欠点のうちで、もっとも小さなものであるが。

「暑い間おまえさんは何をしてたんだね?」と
蟻はこの借り手にたずねた。

「夜も昼も歌ってました。
あなたのお気には召さないでしょうが・・・」

「歌ってたって? それはまた結構なことだ。
それじゃ今度は、踊りたまえ!」






La Cigale, ayant chanté
Tout l'été,
Se trouva fort dépourvue
Quand la bise fut venue :
Pas un seul petit morceau
De mouche ou de vermisseau.

Elle alla crier famine
Chez la Fourmi sa voisine,
La priant de lui prêter
Quelque grain pour subsister
Jusqu'à la saison nouvelle.

"Je vous paierai, lui dit-elle,
Avant l'Oût, foi d'animal,
Intérêt et principal. "

La Fourmi n'est pas prêteuse :
C'est là son moindre défaut.
Que faisiez-vous au temps chaud ?
Dit-elle à cette emprunteuse.

    Nuit et jour à tout venant Je chantais, ne vous déplaise. 
    Vous chantiez ? j'en suis fort aise.  Eh bien! dansez maintenant.





2011年1月4日火曜日

00:00:00 / 口ロロ



一秒 ふたりその時運命感じて 繋がって
一分 原稿用紙一枚分の話 繋がって
一時間 予感が徐々に確信に 繋がって
一日 言葉じゃ足りないから唇 繋がって
一週間 体と体 文字通り 繋がって
一ヶ月 分の給料の指輪と誓い 繋がって
一年 恋から愛の結晶生まれ 繋がって
一世紀 僕も君も もういない それでも 繋がって