2013年2月17日日曜日

Logique du sens / Gilles Deleuze



与えられた名 n1 は、n1 の意味を指示する n2 に対応し、n2 は n3 に対応する、というようになる。それぞれの名について、言語はこの名の意味に対応する名を含まなくてはならない。言語的実体のこの無限の増殖は、フレーゲのパラドックスとして知られている。しかし、これはまたルイス・キャロルのパラドックスでもある。それは、アリスが鏡の向こう側で騎士に出会うとき、明確に現われる。 騎士はこれから歌う歌のタイトルを告げる。「歌の名は鱈の目だ」「それが歌の名なの」とアリスは言う。騎士は答える――「お前にはわかってないな。名がそのように呼ばれているのだ。本当の名は、老人だ」「歌はそういう風に呼ばれているのと言えばよかったのかしら」とアリスは言い直した。「そうじゃない。それは別のことだ。歌は方法と手段と呼ばれている。しかし、それはただそう呼ばれているというだけのことだよ。わかるかな」「でも、そうすると、歌は何なの」。騎士は言う、「つまり、歌は本当は「柵に腰かけて」なのだ」。