2014年6月4日水曜日

Stato di eccezione / Giorgio Agamben



例外状態は、究極においては、アノミーとノモス、生と法、権威と権限とがどちらともつかない決定不能性の状態にある閾を設けることによって、法的―政治的な機械の二つの側面を分節すると同時にともに保持するための装置である。それは、アノミーがなおも法秩序との関係を保っており、そして規範を停止する権力が生を直接的に掌握しているというような、ひとつの本質的犠牲に基礎を置いている。二つの要素が相互に連関しあっていながらも、概念的には時間の点でも主体の点でも区別された状態にとどまっているかぎり、二つの要素のあいだの弁証法はそれでもなおなんらかの仕方で機能しうる。しかしながら、それが唯ひとりの人格のうちで合体しようとする傾向を見せるときには、そしてそれらがつながりあい、どちらともつかない決定不能状態に陥ってしまうような例外状態が規則に転化するときには、法的―政治的体系は死を招く機械に変貌してしまう。