お茶を飲むと、寒さのきびしい夜だったがぼくたちは抱き合うようにして外に出て、冬空の下に立った。風は止んでいた。天使が降りてきそうな夜だ。ぼくたちの上では満天の星が輝いている。まるで神様が腕を大きくひとふりして、天の種まきをしたかのようだ。
星の光は賛美歌を歌っているようだった。
ぼくは両脇に立っている母さんとキャリー伯母さんを抱きしめ、今までぼくを祝福してくれたあらゆる実りに感謝をささげていた。感謝で胸がはち切れそうだ。ぼくは自分が大きくたくましくなったように感じていた。ジャンプすれば星をもぎとってポケットにかくし、おもちゃにしてしまうことさえできそうだった。
星は黄色く白く輝いている。十二月の星のなかにひとつだけ、生まれたばかりのような星がみえた。ぼくは思わず指さした。母さんとキャリー伯母さんもつられて顔をあげると、敬虔な気持ちでその神秘的な光をみつめた。
「ほら」ぼくはいった。「あの金も銀もみんなぼくたちの宝物なんだ」
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