2008年4月14日月曜日

夜につまずき / ビートたけし



いつもの店といつもの煙
いつもの相手といつもの話
俺は人とは違うのと
違う同志で肩を組む

酒のツマミの人生論は
家路の明りでさめてゆく

夜につまずき裏道でころがり
子供の泣き声で自分に気付く
生きてるだけの人生ならば
何もこんなに酒を飲みはしない
酒を 酒をこんなに飲みはしない

いつもの部屋のいつもの女
いつもの朝に外を見て
俺は奴らと違うのと
同じ電車でゆられてく

恋のツマミのやさしさは
鏡の自分でさめてゆく

はげしく生きぬく根性もなく
孤独に死んでく勇気もなしに
流れ流れて 流れ流れて
流れ流れて 今日まで生きてきた

2008年4月13日日曜日

浅草キッド / ビートたけし



お前と会った仲見世の 煮込みしかないくじら屋で
夢を語ったチューハイの 泡にはじけた約束は
灯の消えた浅草の コタツ1つのアパートで

同じ背広を初めて買って 同じ形のちょうたい作り
同じ靴まで買う金は無く いつも笑いのネタにした
いつかうれると信じてた 客が2人の演芸場で

夢をたくした100円を 投げて真面目に拝んでる
顔にうかんだおさなごの むくな心にまたほれて

1人たずねたアパートで グラスかたむけなつかしむ
そんな時代もあったねと 笑う背中がゆれている

夢はすてたと言わないで 他にあてなき2人なのに
夢はすてたと言わないで 他に道なき2人なのに